姉のドナーになるために生まれてきた妹の権利と、姉の命の重さ、どちらを取るのかというのが表面的なテーマですが、実際のところは死と戦い続ける現代の風潮に「ちょっと待てよ」と問いかける作品だったと思います。
患者はもう死を受け入れているのに、周りの人間が「諦めるな」、「まだ生きるんだ」と励まそうとする。しかし、死を受け入れてしまった人はもう精神的に成熟していてニコニコしているだけだったりします。最後の親族と一緒にいた時間、母と二人きりになった時間が象徴的でした。当初不利だった裁判の勝訴判決も、子供が命の重さを理解した上で死を選ぼうとしていると認めたものでしょう。いい人生だった、と総括できる人はやっぱり幸せなんだと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ドラマ
- 感想投稿日 : 2012年11月10日
- 読了日 : 2012年11月10日
- 本棚登録日 : 2012年11月10日
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