イマジナリー・コンパニオン【心理学用語】
実在しない友達。孤独な幼児が、それを補填するために作り上げた《想像上の友人》。そのため、自身に対して、おむね肯定的な立場として存在する。姿の可視・不可視にかかわらず、当人にとっては、確かに存在する。
極度の人見知りで友達がつくれず、仕事で忙しい両親。孤独だった『玲香』の隣に、気がついたらその女の子がいた。名前は『あねのね』。他の人には見えないようだったが、その子のおかげで、少しずつ他の子とも話せる様になり、やがて、『あねのね』はいつのまにか消えていて、『玲香』も思い出すことはなくなっていた。
大人になった『玲香』が、職場の対人関係や、裏切られた恋人の事で、不安定な精神状態になっていたとき、再び『あねのね』があらわれた。幼児の姿と、無邪気さはそのままに、思考能力は成長している彼女は、残酷性も併せ持っていて、やがて、『玲香』だけでなく、周囲の人にも影響を及ぼすようになっていた。
私も空想(妄想)好きなので、なんとなく分かる気がしますが、こういう存在を作り出しちゃう場合があるそうですね。いや、私とはレベルが違うだろうが・・
その子にとっては、唯一の味方である存在。そりゃあ、誰もいない空間へ話しかけてたりしたら不気味だけど、そのおかげで、自信がもてたり、だんだんと、実際の人ともコミュニケーションがとれるようになれば、自然と消えていくのだから、そう悪いものでもないような・・どうなのかな?医学的には。
で、この本の場合は、「そっちに行くんかい!」てな感じになっちゃたけど。チラ読みしてた家族が、「ファンタジー・・?」っていってたけど、なんか活劇のようになってますが?そりゃー、ファンタジー=空想小説と教えたのは私だけどさ。
なにはともあれ、前半でしっとりとした話だと思っていたので、ちょっと違和感が残る読後なのでした。
- 感想投稿日 : 2010年1月22日
- 読了日 : 2008年8月23日
- 本棚登録日 : 2008年8月23日
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