中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2004年10月19日発売)
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中国の盗賊の代表として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、および毛沢東を紹介。ユーモラスな語り口で読みやすく、理解しやすい。

中国における盗賊とは、仕事にあぶれたならず者の武装集団のことで、中央・地方の政府が組織したものは「官軍」、そうでないものは「盗賊」とされた。頭脳としての知識人や情報網を持つ商人などを取り込みしだいに大きくなり、ついには天下を狙う集団も現れる。

面白いのは毛沢東で、先に紹介された陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全を「農民の革命戦争」として定義し、正義の行いとみなしている。本来のマルクス主義は都市の工場労働者を革命の主導者としているが、共産党は農村のあぶれ者を動員しているし、詩作に秀でた毛沢東は、マルクス主義者ではなく中国の伝統的知識人であった(マルクス主義の根幹を、「造反有理(上の者をやっつけるのはいいことだ)」の一語にまとめてしまった)。中国共産党は伝統的な盗賊集団と見たほうが理解しやすい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2023年1月13日
読了日 : 2023年1月13日
本棚登録日 : 2023年1月13日

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