アスペルガー症候群のパトリックは父親の死をきっかけに「死」への探求に取り憑かれる。
長じて障害者枠で入学した大学の人体解剖実習で、献体から不審物を発見しその死因に疑問を抱く…。
アスペルガー症候群の青年を主人公にした上で、天才ではなく病的な拘り故の特異な能力を持っているとしたところがこの作品のキモだと思う。
縦糸になっている事件そのものはそれ程ひねられていないけれど、パトリックの拘りとそれに戸惑い振り回される周囲が織り成す横糸が見事に絡んで物語を読ませるものにしている。
ただ『ブラックランズ』三部作の方が好みだったな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
翻訳ミステリ
- 感想投稿日 : 2014年8月7日
- 読了日 : 2014年8月7日
- 本棚登録日 : 2014年8月7日
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