世界レベルの演出をしているのは庵野秀明氏だけじゃない!映像マニアを自任している方には絶対に観て欲しい。無彩色と茶色を基調としたサイケデリックな色彩。電線や目のアップ、バンクの使い回しの多用…といった奇抜な構図を多用する演出。効果音の演出も優れていて、「ブゥーン」という音も強く印象に残る。有名な韓国人歌手と同名のUKバンドのboaが主題歌のOPも、アンビエントでデジタルな映像で、これだけでも映像作品として売りに出せるほどに完成度が高い。
脚本が残念。「ワイヤードがリアルワールドを侵食する」という展開を期待していたので、第4話までは良く出来た都市伝説ホラーとして楽しんでいたが、第5話からリアルワールドから離れてワイヤードに入っていく展開になっていき、現実味が無くなってきた。90年代後半は、『新世紀エヴァンゲリオン』の影響で、この様な難解な鬱アニメが量産された時代だった。
岩倉玲音役の清水香里は、当時中学3年生で、玲音と同年代の年相応の透明感と色気が出ていた。
オリジナルキャラクターデザインの安倍吉俊は今作でブレイクした。私も御多分に洩れず、今作で彼を知ってファンになった。
監督の中村隆太郎氏は、2013年6月29日に膵臓癌でお亡くなりとの事です。演出の才能に恵まれた非常に惜しい方を亡くしました。謹んで御冥福をお祈り致します。
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- 感想投稿日 : 2017年5月29日
- 読了日 : 2017年5月29日
- 本棚登録日 : 2017年5月29日
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