半蔵さんって変な人だなぁ、とずっと思ってきたんです。読み始めから終わりまで、どうして藤村はこんなよくわからない人を主人公に小説を書いたのかなぁと。なんだか突拍子のないことが突然起こるし、しかもその理由が結局わからずじまいだったりとか小説らしくない部分もあり、「???」の連続ではあったがなんとか読み切った。そして解説を読み、納得。あんたの親父さんだったのかい。そりゃあ理解不能な部分があるわけだわ。晩年、徐々に気が狂っていく様子はとてもリアル。純粋な人だったんだと思う。
全体的には歴史小説と私小説のあいのこのような、どこに視点を据えたらいいのかよくわからない読みにくい小説だった。でも木曽路には行ってみたい。新幹線や高速道路は便利だけど、山に穴をあけた直線移動はやはり味気ないと思うのだ。自分がのんびり屋だからかもしれないけど、徒歩のテンポが一番心地いい。街道を歩く旅、してみたいなぁ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2017年6月11日
- 読了日 : 2017年6月9日
- 本棚登録日 : 2017年6月4日
みんなの感想をみる