『秒速5センチメートル』もそうでしたが、新海誠作品は小説で補完されます。
女の子は「世界」の危機に立ち向かう力を持っている。けど男の子と一緒に居たい。そうすると「世界」が大変なことになる。男の子は無力で、どうすることもできない。『ほしのこえ』は、確かにセカイ系と呼ばれるべき要素を持っています。
最終的に女の子は男の子を守り、それと引き換えに居なくなってしまう。男の子は「どうすることもできない」という安全な立場から、残念だなあ悲しいなあと涙する。そんな構造を痛烈に批判する批評家の方もいました。
しかし、本作の男の子は悲しむばかりではなく、自分も女の子のところへ行く決断をします。セカイ系と呼ばれる作品群のモデルケースとは、また違ったラストだと思います。とても感動しました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2012年1月28日
- 読了日 : 2012年1月28日
- 本棚登録日 : 2012年1月28日
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