村上春樹の解説つきということでこの版を選びましたが、まぁこの小説自体普通にわかりやすい内容なので、特に必要ないかも?笑
イシグロの作家性について触れてる部分はなかなか面白かったです(以下ネタバレです)。
執事という役割に殉ずるあまり、雇い主の罪すら罪と認めることができず、自分の恋愛(人生)も犠牲にしてしまうってものっそい日本人っぽい職業人生だなと思いました。この執事は一言で言うならナチス・ドイツのアイヒマン(凡庸な悪)そのものなのですが、おそらく本人はこの先もそれを自覚することはないでしょう。
わたしはカズオ・イシグロの小説に漂うある種の諦観に触れるたびに、かなり憂鬱な気分になるのですが、それはそれとして名作であることは間違いないです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月6日
- 読了日 : 2021年5月3日
- 本棚登録日 : 2021年5月3日
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