読み始めは、とにかく「うわー、長そう。読みずらいし、人物掴めねぇーよ」と毎回、山本周五郎の長編に手を出すたびに思うんだが、これも同様。序盤、流れに乗るまでは正直きつかった。
でもね、一度、主水正に感情移入(しにくいけど)した時点から、展開にスイスイ付いていけた。どっちかとゆーと、冗長な流れなんだが、話の中心に、一本の骨太な筋が通ってるあたりが凄い。
たんなる立身出世物語じゃなくて、一国を動かすマツリゴトとは斯く在るべし、といった忍耐と信念を感じさせる。
読後は一時的に信念の人と自己変革をもたらす。三日で元に戻ったがな。
心に残る作品だけど、まとまった時間がないと読みにくいので、どちらかとゆーと、周五郎のほかの人情系短編のほうが好みかも。
でも最後の登城のシーンはね、コイツはくるぜ?ジーンとね。
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2005年12月13日
- 本棚登録日 : 2005年12月13日
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