ダ・ヴィンチ・コード 上

  • 角川書店 (2004年5月31日発売)
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感想 : 817
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名高い世界的ベストセラーだが、前作よりつかみも、ネタの目新しさも、謎解きも、アクションも、グロもマイルドになっている。エンタテインメントとしての水準はさすがにクリアしてはいるが、没入度は前作のほうが高かった。
キッツくなっているのはただひとつ、おっさんドリームwww
前作レビューで貶した「ヤり捨て」だが、なんと「オンナのせい」になっていたwww 「世界の海を股にかける彼女が、象牙の塔に収まることはしょせんありえなかったのだ」って、てめえは象牙の塔を捨てて世界の海を股にかける気なんざこれっぽっちもないくせに、「男様のために己を捨てられないのは悪女!」とは何なのか。
なんで、それで「オンナのせい」になるの? つか、そうできる気でいるわけ? ほんっきでわかんない。ほんと、これだから男は。
かくして新ヒロイン登場だが、優秀な暗号学者だというのに、暗号解きのイイところはぜーーーーんぶ男がかっさらうwww この点も、前作よりグレードダウン。ただの「宿命の女」にして、「かっこよく救出されてヒーロー(と男性読者)を気持ちよくさせるだけのオナペット」と化している。貴種流離譚的な最後のオチも、「そんな高貴なオンナをモノにしたオレ」と男を気持ちよくさせる材料にしかなっていない。

エンタメとしては水準作だが、女性蔑視の度合いは最低最悪。
こういったものが臆面もなく書かれ、発行され、流通し、ベストセラーになってしまうところが、この世界の限界なのだと感じた。

2019/3/14~3/16読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ&サスペンス
感想投稿日 : 2019年3月20日
読了日 : 2019年3月16日
本棚登録日 : 2019年3月20日

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