疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

  • 中央公論新社 (2007年12月1日発売)
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感想 : 68

 歴史を動かす究極的な力(要因)は何なのか。神の摂理? 超越的な人間の能力? 技術力の発展に伴う経済構造の変化? 単なる偶然と運がすべて? それとも複合的原因による多重的決定? いやいや、それを前にしては免疫を持たぬ人間など全く無力な、未知の(あるいは既に抑止できたと思われていた)感染症・疫病!の力を忘れてはならない。中世の黒死病(ペスト)がなかったら、我々は現在、我々の知る世界とは全く違った世界を眼にしていたであろう。ホーキングが敢えて「絶対に人類は未知との遭遇をしてはならない」という理由もそこにある。我々の運命は、愚か者の手中などではなく、知られざるウィルスに握られているのかもしれない。同時に「同じ意味で」ジョン・W・キャンベルの『影が行く』も必読書である。
(選定年度:2016~)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 東工大立志プロジェクト:書評のための課題図書
感想投稿日 : 2016年6月1日
本棚登録日 : 2016年6月1日

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