蒼い炎

著者 :
  • 扶桑社 (2012年4月7日発売)
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本棚登録 : 419
感想 : 59
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15.oct.30

ソチ五輪後、本屋に積まれててなんとなく興味は持ったけど買うには至らず、先日図書館にあるのを偶然見つけて読了。

ソチ五輪より前の、どっちかというと震災直後の羽生選手のインタビューベースの自叙伝という感じ?2012年初版で、「ソチ五輪でメダルなんて夢のまた夢、平昌五輪で狙いたい」みたいなことを話していて、本当に自分でも想像しなかったくらい躍進したんだなぁ…としみじみ。

話し言葉をそのまま書き起こしてある(と思う)んだけど、十代の少年とは思えないくらい受け答えが立派。尊敬する。大会ひとつひとつの敗因や勝因を冷静に分析して、ときにはライバル選手の実名を出して「負けて悔しい」と闘争心を隠さずに正直に述べる。でもトゲは無いし物腰柔らかいイメージも崩れない。彼の聡明さが言葉一つ一つから滲み出ているからだろうなーと思う。

ソチ直後の記者会見で、喜びを露わにしてよい場所で、噛みしめるように「やっぱり被災地、震災のことが…金メダルを取っても無力さを感じる(かなりうろ覚え)」と語っていて、心情推し量るに余りあるというか…スケートを見てても「この人は氷上でいつか死ぬんじゃ」と時々思ってしまうけど、いろいろ背負いすぎて無いかな?大丈夫かな?今の立場をふまえてもう一度こういう本出してほしいなと思った。

この本の収益もすべて復興費用に充てられるそうで。そう思うと、買えばよかったかもと思う。
写真がかなり多いので、昔の知らないプログラムの話されても想像しやすくてついていきやすかった。冒頭のラフショットみたいなのは写真集みたいでファン向けなのかなと思った…笑 いい本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2015年10月30日
読了日 : 2015年10月30日
本棚登録日 : 2015年10月26日

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