フジモトマサルの絵が好きなので手に取った本。
この人は回文も作るんですね。
回文とイラストで、医者と猫の恋物語が展開していきます。
そこに、元妻とのしこりや革命テロリストなどが加わって、おしゃれながらもなんとも不思議な世界に。
でも、医師と猫は付き合っているようなので、サブタイトル-猫の恋が終わるとき-の意味がどうも釈然としませんでした。
以前、回文第一人者土屋耕一氏の『軽い機敏な仔猫何匹いるか』を読んで、その作力にひれ伏したことがあります。
それに比べるとこの人の作品は短くかわいらしい印象ですが、イラストとあいまって、とても生き生きした世界が見られます。
「旦那がなんだ!」
「鍋食べな」「うどんどう?」
「世の中バカなのよ」
「泣くな泣くな」
「薬の暗い快楽のリスク」なんて上手だなあと思います。
表紙絵もオシャレだし、パラパラと軽く読みきれるため、家にあると、友人来客時などに気軽に見てもらえる便利な本でしょう。
ただ、天・地・小口といった側面部分が、ペーパーバックスのように蛍光青色になっているのが、私の好みではなく、残念でした。
あと、あえて外したものと思われますが、ページがついていないのは、本として足りないものがあるように思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
言葉・詩
- 感想投稿日 : 2010年7月18日
- 読了日 : 2010年7月18日
- 本棚登録日 : 2010年7月18日
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