図書館の神様 (ちくま文庫 せ 11-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年7月8日発売)
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本棚登録 : 6722
感想 : 692
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高校生の頃にバレー部のメンバーが自殺したのを機にバレーを離れた清が、高校の講師になり、赴任先で文芸部の顧問をしながら再生していく様子を描いたストーリー。

不倫相手の浅見さんとの関係にモヤモヤしながらも離れられずにいたり、本当はバレー部の顧問をやりたいと思いつつ、文芸部の顧問となり、部長の垣内君に、"文芸部がつまらないとか、外で運動すべきだなどと、よほど顧問とは思えない発言をしたりする清は、高校教師をしつつも、投げやりな感じが否めない。

そんな清に対して、怒ったり反抗したりすることもなく、大人びた言葉で返したり、お勧めの文学作品を教えたりする垣内君の独特なキャラが好き。
清の弟、拓実もフワフワしているようで姉想い。
そういう彼らとのやり取りがすごくよかった。

そして、正式な高校教師となった清に宛てて、高校の時に自殺した山本さんのお母さんから、清を解放するかのような手紙が届く。
瀬尾まいこさんらしい、なんだか心がほっこりする読後感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2024年3月15日
読了日 : 2024年3月15日
本棚登録日 : 2021年1月20日

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