ビルマ難民の研究をしていた大学院生が、非常にレアな難病にかかり、
瞬く間に変容していく生活と経験を書き綴った、病いエッセイ。
難病の経験は苦痛に満ちたものだろうと思うのだけれど、それをユーモラスに描いていることが印象的。
治療にまつわる苦痛、友人との人間関係の不和、行き場のなさ…これらを誠実に書きつつも、同時に、少し笑えるような、胸がときめくような恋愛の話も言及されていたりする。
読み終えて思ったのは、この物語の主役は「病い」ではなく、やっぱり「人」(とライフ)にあるんだなぁと。
人間は病いを得ても、病いだけと関係を作っているわけではない。
忘れがちだけど、とても大切なことに触れている良書です。
大変読みやすく、それでいて心に残ります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
病いと生
- 感想投稿日 : 2011年9月4日
- 読了日 : 2011年8月21日
- 本棚登録日 : 2011年9月4日
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