読んでよかった。いっぱい好きなところがある。
とにかく地味な主人公サラとそれに繋がる地味なひとたち、寒くてたまらないアメリカ北部の話。それをここまで読ませるのがすごい。
装丁に惹かれてなんとなく手にとったけれど、大当たりだった。
ただの小説にしては、構成が珍しく、大きな出来事が起きた「後」の人々が描かれている。それが、かなりすぐれていて、ルアンヌ・ライスって誰?とおもった。なぜか日本での翻訳は少ないけれど、アメリカではベテラン作家さんらしい。
傷つき喪失した人間の心理描写も極寒の自然描写も秀逸。
一人称が変わるので登場人物一人一人の心の中が繊細に伝わって切なかった。
何の変哲もないひとに降りかかるよくある不幸は「ああ、まさにこんな感じだ」と頷かずにいられないほど、生々しく丁寧に描かれてる。
やや女性向け。おすすめ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年2月9日
- 読了日 : 2012年2月9日
- 本棚登録日 : 2012年2月9日
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