あのブッツァーティがこんなに素敵な子どもの本を書いていたなんて!扉をひらくと本人による美しい挿絵、そして登場人物たちを紹介する優しい語り口に期待がいっぱいになります。勇敢なクマの王様レオンツィオに率いられて山から降りてきたきたクマたちが経験するいくつもの戦争は、おとぎ話というには血なまぐさく、そしてようやく平和が訪れたと思ったときには、悲しいお別れが待っているのでした。わたしたちがたくさんのモノやすてきな服につつまれていてもどこか魂をなくしたような気がするのは、クマという愛すべき気のいい友たちにおいていかれてしまったからなのかもしれません。どこからめくっても素敵な魔法のような絵本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
子どもの本とその周辺
- 感想投稿日 : 2021年10月22日
- 読了日 : 2021年10月21日
- 本棚登録日 : 2021年10月22日
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