これはだいぶ前に読んだ小説で、本棚の中で主張してたように見えたから(笑)再読。
映画もとても好きな作品。
ふたりの藤井樹、樹(男)を愛する博子、そして博子を愛する秋葉、の物語。
博子が勘違いから送った手紙がきっかけで、過去と現在を行き来しながら物語は進んでいく。
残酷な面もあるかもしれない、と思った。
自分の恋人が自分を選んでくれた理由が、もし「初恋の人に自分が似ているから」だったとしたら?
そしてそれを、その人を失ってしまったあとに知ったとしたら。
もう訊けないことだから許せるのか、それとも答えを知れないから引きずるのか。ということを、自分に置き換えて少し考えた。
岩井俊二監督映画の独特な透明感が好きなのだけど、文章からもその要素は溢れてた。
思春期をノスタルジックに描くのが本当に上手な人だと思う。
ラヴレターって、自分の想いを相手に押し付けるものではなくて、相手を敬うものなのかもしれない。
例えば「元気でいてくれたら嬉しいです」これだって立派なラヴレターだ。
相手に直接届くことだけが、全てじゃなくて。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年5月7日
- 読了日 : 2015年5月7日
- 本棚登録日 : 2015年5月7日
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