絵本「100万回生きたねこ」の作者・佐野洋子さんを追悼して、帯にあるあらゆる分野の作家たちが、この絵本に関する読み物を書いた、アンソロジー本。
普段ハードカバーの本はあまり買わないのだけど、これはもう見た瞬間買うことを即決してしまった。
この絵本が好きだからというのも勿論だけど、書いている作家が好きな人揃いだったから。
100万回生きたということは100万回の人生(猫生?)があったわけで、そのうちの1回の猫生もそれぞれ濃いものがあったはず。
そのうちのひとつの猫生を書いた作家もいれば、この絵本全体の流れをつかんでそれを物語にした作家もいる。
残酷な物語も中にはあったのだけど、100万回も生きていれば、実際残酷な猫生を生きたねこもいたはず。100万回全部幸せに暮らせたはずはないのだから。
それぞれの個性が出ていてとても興味深く面白かった。
小さい頃からずっとねこを飼ってる身として心に残ったのは角田光代さんの小説で(確か角田さんもねこを飼っているはず)自分では可愛がっているつもりでもねこ自身は何を思って幸せなのかどうか分からない、でも幸せだと思いたい、みたいな感じで。笑
あとはやはり好きな江國香織さん、そしてかなり個性的なアプローチの町田康さん。そしてかなり短いながらも広瀬弦さんの「博士とねこ」というお話が印象的だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年8月28日
- 読了日 : 2015年8月28日
- 本棚登録日 : 2015年8月28日
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