初版時から読みたかったのだが、やっと文庫化されてブックオフ落ちしたゆえ購入できた。和田竜氏の作品では3作目であり、「のぼうの城」から注目していたが今作は文句ナシの面白さ、大傑作、まだ若い和田氏であるが氏の作家人生の中でも序盤における、一つの到達点ともいえるのではないか?本日現在今作をとりまく情報に詳しいわけではないが、近い将来アニメ、映画あらゆるメディアミックスの中で、ヒロイン景はその魅力を発散させ輝き続けていくであろうと予測する。
木津川合戦をベースに、実在した人物達に氏のアレンジが加わり(そのアレンジも精緻な取材の上になされたものであり、全くの創作ではないだろうと判断する)魂の籠ったキャラ達が敵味方入り乱れて、命を散らし、散り際を輝かせようとする。
日本の歴史に詳しくなければ「木津川合戦」も知りようがないだろうが、戦国時代のこの一イベントを取り上げここまでの壮大なドラマに仕立て上げた和田氏の時代小説家としての力量に、感謝とこれが読めた幸運に感謝である。
4巻末には、実在の人物達のその後が希少な文献をもとに綴られていた。能島村上で唯一の嫡子である女子がいたという事実、これが今作のスタートだったことが知れてあらためて時代小説の深みに触れた気がした。
万人にお勧めしたい!読むべしと…
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カテゴリ:
和田竜
- 感想投稿日 : 2018年3月23日
- 本棚登録日 : 2018年2月15日
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