SF JACK

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2013年3月1日発売)
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本棚登録 : 315
感想 : 57
4

「神星伝」
シュピーゲルで、最後のライトノベルとうたった以上、この続きはないのでしょう。「ばいばいアース」みたいな雰囲気なんだけどな。
短編だからか、スピードで読まされた感じ。長編だと世界観を取り入れるのに、一苦労しそう。この人のは、たいがいそうだけどね。
入れば、没入感すごいけど、そこまでが大変なのよ。

「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」
火の鳥のあれに似てる。人類滅亡後、なめくじ文明ができるやつ。

「楽園(パラディスス)」
これが実用化されたとき、本当の自分ってどこにあるんだろう?って疑問がでるんだろうね。「銃夢」や「攻殻」の世界への入り口かな。
リアルで接触している友人と、ヴァーチャルでしか接触しない友人とで、同一人物のはずなのに、別の人物ってコトになるだろうし。人間関係で、接する社会が多いほど、仮面を使い分けるものだけど、それを浮き彫りにいやおうなくされそうで怖い。
今実用化されたら、他人を攻撃することしかしない人格のが、大量発生かな。そんな人は、この機能使わないか。
これを、楽園とは呼べないねl。

「チャンナン」
最近、ゼルダの不思議な木の実(時空)やってるので、それとかぶってしまう。

「別の世界は可能かもしれない」
なんか気持ちわるい話だったな。
ちょっと、ついていけないテイスト。

「草食の楽園」
理想郷テストに、外部からのウイルス迷い込んで~っていう、人間の本性をむき出しの、ぐちゃぐちゃした話のはず。
でも、ラストシーンがラブラブで困っちゃいます。理想郷は失敗して、社会も崩壊してるんだけど、ラブラブで。
ごちそうさま。

「不死の市」
一番入り込めなかった話。

「リアリストたち」
「楽園」と同じようなテーマかな。ネット依存というか、ネット肥大の現在を、皮肉っているようにも感じました。
この話の世界って、技術の進歩とかでなくて、精神の落ち着きどころだから、一番身近な世界なのかもしれない。

「あの懐かしい蝉の声は」
なくしたものは、二度と戻ってこない。当たり前だけど、忘れがち。前だけ見て進むときって、たいていそうなんだ、って感じさせられる。
一番、切ない話だ。

「宇宙縫合」
合わせ鏡が思い浮かんだ。違うんだけどね。
何度も繰り返して、破断点を治すのに、そのイメージだったもので。過去のツケは未来で、じゃなくて。未来のツケは過去で?ん?

「さよならの儀式」
ペットを擬人化して可愛がりすぎる人と、それを好ましく思わない人の齟齬って、こういう感じかな、と思う。
自分は、どっちつかずです。可愛いと思うけど、鬼のように可愛がりはしないし。鬼のように、邪険にもしないです。

「隠態の家」
SF?伝奇じゃない?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年4月30日
読了日 : 2013年4月30日
本棚登録日 : 2013年3月20日

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