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1983年にハヤカワ文庫から第1巻のみ刊行され、第2巻以降は何故か刊行されないままフェードアウトしてしまった、曰く付きのアンソロジー。
アメリカSF界の鬼才、ハーラン・エリスンが、1960年代に活躍していた作家(非SF含む)に「危険なヴィジョン」をテーマとした書き下ろし作品を依頼し、それをまとめたもの。第1巻の冒頭にエリスンの序文が入るのはまぁ当然としても、各作品の頭にもいちいちエリスンの序文が入るというエリスンの押し出しの強さ(笑)しかもこの序文が長いのよ、なかなか読み進められないヽ( ´ー`)ノ

ことほど左様に、編者エリスンの熱気が前面にアピールされて正直鬱陶しいぐらいなんですが、いやそれにしても、よくまぁこれだけイカレた作品集めましたねと思います。何分にも古い作品ばかりですので、21世紀の今になって読むと「これ、『危険』かなぁ・・・」と首を傾げたくなる作品も結構あるのですが、原著の刊行年を考慮すると、当時は十分刺激的で「危険なヴィジョン」と言えたのだろうと思います。
鴨的には、ロバート・ブロックとハーラン・エリスンの2者による連歌のような作品の響き合いが印象的でした。収録作の中で一番長いホセ・ファーマーの「紫綬褒金の騎手たち、または大いなる強制飼養」、オフビート過ぎて辛い(^_^; これもある意味、時代を感じる作品ではあります。

まぁまぁ面白かったので、第2巻以降も読もうとは思いますが、またエリスンの押し出しと闘いながら読み進める感じになりそうですね(^_^;

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF(海外・短編)
感想投稿日 : 2019年10月20日
読了日 : 2019年10月7日
本棚登録日 : 2019年6月7日

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