ねこに未来はない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1975年10月30日発売)
3.68
  • (23)
  • (32)
  • (44)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 399
感想 : 42
3

角田光代さんがおすすめしていたので、読んでみた。
長田弘さんの本はほとんど読んでいると思っていたので、不覚!
とか思って。

長田弘さんも、その長田弘さんが好きになって一緒になることになった奥さんも、生きることがどういうことか知っているという感じがした。
楽しむ「ふり」や、悲しむ「ふり」や、
生活の中に「ふり」を持ち込むことを、自分でも気づかないうちにしてしまうことがある。
なんだかそれは、誰かに自分の生活を観られているような、
その人に対して自分の生活を演じているような、
そんな妙な気分。
決して気持ちのいいものではなくて、どこかいつも不安げな様子に自分がなってしまう。

そんなことを思い煩っていた私にとって、
長田さんとその奥さんのねこと暮らす楽しみと悲しみをそのまま受け入れている姿が、なんだかすごく「よいなあ」と思われた。

ねこが欲しくて「ねこをください」という張り紙を出すところとか、
この人たちのやり方で、それがとっても「らしく」って、
「いいなあ」と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 随筆・随想
感想投稿日 : 2014年1月12日
読了日 : 2014年1月12日
本棚登録日 : 2014年1月12日

みんなの感想をみる

コメント 1件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2014/04/22

「不覚!」
今の文庫には、載っていなかったと思いますが、古い本には著者が撮った猫の写真が1点載っています。

ツイートする