植物がグイグイ水を吸うみたいに、
私の中にどんどん沁みてくる物語だった。
ほかのどんな時でもない、
今読めて本当によかった。
物語が持ってる
ワクワクさせてくれる力、
それが人生のほんとうかもしれないと感じさせてくれる力、
私にとってはそういうものがたくさん詰まった物語だった。
愛おしいって言葉が1番しっくりくるな。
私はこれを会社の行き帰りの満員電車の中で読み継いだけれど、
読んでいる間、
私はニューヨークのセントラルパークにいて、
ユタの洞窟を探し、
真夏の暑いさなかに汗をダラダラかきながらビールを飲む気持ちになった。
本当にそこへ連れて行ってくれる物語だった。
物語の楽しさを存分に楽しめる物語だった。
解説にあったように、彼の人生はここから始まるのかもしれない。
でも紛れもなくそこまでのあれもこれも、
彼の人生の断片で
なければここまで決してたどり着けなかったのだ。
私はそれが奇跡で愛おしくて、
ほかの誰とも違う彼、すなわち私がいることだと思う。
何もかもなくしたい衝動というのを、
人は持ってるのかもしれないと思った。
もう一度、新しく生きるために。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(作者:外国人)
- 感想投稿日 : 2019年1月10日
- 読了日 : 2019年1月10日
- 本棚登録日 : 2019年1月10日
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