とても久しぶりに太宰治を読みました。人間の弱さに寄り添う太宰が、やけっぱちのような明るさを見せてくれるとき。わたしは太宰の、そういうところが大好き。人間は矛盾した生き物で、笑って泣いて、どちらかに振り切れるということはあまりなく、明るさこそが悲哀を最も痛切に感じさせる場合がある。喜劇と悲劇。文明の果ての大笑い。その感性はわたしにとって、とてもしっくりくるものだった。人間の劇性を冷やかすような、それでいてあたたかくてやさしい、そんな視点がすきです。
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- 感想投稿日 : 2013年7月29日
- 読了日 : 2013年7月29日
- 本棚登録日 : 2013年7月29日
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