中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

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  • 医学書院 (2017年3月27日発売)
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能動か受動か。
確かに、この二択で事態を捉えている。

まず中動態を認識していないと、能動か受動かだけで言葉を解釈することになり、違う解釈となってしまう。

アルコール依存症の例示が大変わかりやすかった。
アルコール依存症は、自分の意思や、やる気ではどうにもならない。でも刑務所で講演会すると、努力すればやめられるという捉え方をされてしまう。

強制はないが自発的でもなく、自発的ではないが同意している。能動か受動かという対立で物事を眺めるとこれが見えないという。

自身を思考する際の様式を改める。
中動態の世界を認識して、少しずつ自由に近づくとある。

自由って難しいですな。

身体、気質、感情、人生、歴史、社会、他の人々とつくり上げた関係ゆえに自由ではいられず行為を強制される。

自由に近づくために、中動態を認識する。

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感想投稿日 : 2020年8月13日
読了日 : 2020年12月19日
本棚登録日 : 2017年4月23日

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