スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2007年1月12日発売)
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本棚登録 : 1882
感想 : 348
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ある意味下巻でも何か大きな事件が起こる訳でなく、スロウハイツの面々が、傷つきながらも前に進もうとするドラマ。

上巻から読んでいて、メンバー達の不器用な生き様が好きになり、恋愛においても一度失ってしまったものは元に戻らないという悲しさをいろいろなエピソードを重ねていく。

「チヨダ・コーキはいつか抜ける」とは、中2病ではないけれど、ティーンエイジャーに絶大な人気を持ちながら、成長と共に興味を失くしてしまう。自分を救ってくれた投書の少女もいつか自分の小説から離れてしまうという想い。そこが印象的だからこそ結末がすばらしいと感じた。

他にも語りつくせないいいシーンばっかりで、何度も泣きそうになった。脇道に逸れすぎず、ゴールに向けて綺麗に収斂されていく傑作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理小説
感想投稿日 : 2020年7月4日
読了日 : 2020年7月4日
本棚登録日 : 2020年7月4日

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