人質の朗読会

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年2月1日発売)
3.65
  • (272)
  • (535)
  • (483)
  • (102)
  • (29)
本棚登録 : 3525
感想 : 659
5

地球の裏側のある国で拉致され、人質になり、百日以上経った後
殺害されてしまった8人の日本人。
犯人グループのアジトに仕掛けられていた盗聴器がのちに公開され
人質の8人が時間つぶしに、各人の物語をその辺にある書けるもの
すべてに書き、それを朗読していたことが判明。
そのお話をまとめた短編集。もちろんフィクション。
人質8人分の8話と、盗聴を聞きとっていた政府軍の兵士の
1話の合計9話。

静謐な物語集。すでにそれらを書いた人がこの世に
いないと最初から知って読むのは、かなり胸に迫るものがある。

大抵短編になっているとどれか好きな物語が出てくるけど
これは、すべてが良かった。深々と心に降り積もる。

小川洋子さんの丁寧な丁寧な文章はきっと大変な思いで
紡ぎだされているんじゃないかと思う。

すごく良かった。また読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館 購入したい
感想投稿日 : 2011年8月16日
読了日 : 2011年8月16日
本棚登録日 : 2011年6月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする