ワーク・ルールズ! ―君の生き方とリーダーシップを変える

  • 東洋経済新報社 (2015年7月31日発売)
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数万人という規模の会社になったことを考えても、
この本を読んで学ぶことがない人なんていないと感じる内容だった。

大きな目標に挑戦し続け、
ときには自己犠牲が伴う協力をし、
たゆまぬ改善を行うことで、
チームとして機能したときに信じられないような成果が上がるのかもしれない。

そんなチームを会社に作るための一歩として、
今やっていることに何かフィードバックをかけることが見つかる本だと思いました。

(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○賢明さや勤勉さは成功のための必要条件ではあっても、十分条件ではない。わが社は幸運でもあったのだ。こうしたことを知れば、グーグルのホームページにある「I'm Feeling Lucky」ボタンはまったく新たな意味を帯びてくる。(P.43)
○「グーグルが掲げる10の事実」は以下の通り(グーグル公式サイトより)。
①ユーザに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
②1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
③遅いより早いほうがいい。
④ウェブ上の民主主義は機能します。
⑤情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
⑥悪事を働かなくてもお金は稼げる。
⑦世の中にはまだまだ情報があふれている。
⑧情報のニーズはすべての国境を超える。
⑨スーツが無くても真剣に仕事はできる。
⑩「すばらしい」では足りない。(P.61)
○ 「仕事の完了」についての誠実性が高い人ーーつまり、ほどほどのところでよしとせずに、仕事が完了するまでやり遂げる人ーーは、自分のチームやチームをとりまく状況に責任を感じる傾向も強い。言い換えれば、雇わられている者というより、むしろ企業のオーナーのように行動することが多いのだ。(P.157)
○あなたの行動がチームに前向きな影響を与えたときのことを聞かせてください。(補足質問:あなたの主要な目標は何であり、その理由は何でしたか?チームメイトの反応はどうでしたか?今後はどんな計画がありますか?)(P.160)
○目標達成のためにチームを効果的に運営したときのことを聞かせてください。あなたはどんなアプローチをとりましたか?(補足質問:あなたの目標は何であり、個人としてまたチームとして、それをどう達成しましたか?チームのメンバーそれぞれに応じてリーダーシップをどう変えましたか?こうした特定の状況から学んだ最も重要なことは何でしたか?)(P.160)
○他人(同僚、クラスメート、顧客など)とうまく協業できなかったときのことを聞かせてください。あなたから見て、その人とともに働くのが難しかった理由は何ですか?(補足質問:問題を解決するためにどんな手順を踏みましたか?その結果はどうでしたか?ほかにどんなことができたと思いますか?)(P.160)
○ある程度の謙虚さを備えている(自分が間違っている可能性を認められない人は、これがなかなか身につかない)、きわめて誠実である(従業員ではなく企業オーナーであってほしい)、曖昧さを楽しむ余裕がある(事業がどう進展するかはわからないため、グーグルのかじ取りをするには社内で多くの曖昧さと向き合わなければならない)、人生において勇気のいる、あるいは興味深い道を進んできたという証拠を手にしている。(P.166-167)
○第1に、目標を正しく設定する。それを公にする。目標は野心的なものにする。
第2に、同僚のフィードバックを集める。(P.284)
○第3に評価のために、何らかのキャリブレーション・プロセスを導入する。私たちが好むのは、マネジャーが一堂に会し、ひとつのグループとして社員について検討する会議だ。時間はかかるが、評価と意思決定のための信頼できる公正なプロセスを実現できる。(P.284-285)
○プロジェクト・オキシジェンの8つの属性
1 良いコーチであること。
2 チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。
3 チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。
4 生産性/成果志向であること。
5 コミュニケーションは円滑に。話を聞き、情報は共有すること。
6 チームのメンバーのキャリア開発を支援すること。
7 チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。
8 チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。(P.312)
○UFSの質問事項サンプル
1 上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
2 上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことにまで手出ししない)。
3 上司は、私をひとりの人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
4 上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
5 上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
6 上司は、ここ半年のうちに私のキャリアにかかわる有意義な話し合いをしてくれた。
7 上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる。
8 上司は、私を効率よく監督できるだけの専門知識(例、技術部門ではプログラミング、財務部門では会計)を持っている。
9 私は、上司を他のグーグラーに勧める。(P.315)
●私が自分の評価を初めて公表したとき、それが自分のチームの平均を下回っていたので、内心びくびくしていた。(中略)私に対するチームの支持率は77%だった。(中略)下位25%のマネージャのチーム支持率は72%だと言えばひどさがわかてもらえるだろう。(中略)私は、明確なフィードバックを出すこと、(中略)広く努力することを部下に約束した。(中略)やがて、チームは満足度を向上させ、うまく機能するようになり、私の評価も上がった。(P.318-319)
●学習に費やす時間の長さではなく、時間をおdのように費やすかだ。(中略)つねに状況を確認しながら、小さなーーほとんど気が付かないようなーー修正を重ねて改良する。エリクソンはこれを「デリバレイト・プラクティス(熟考した練習)」と呼ぶ。(P.328)
○その際に、具体的なフィードバックをもらったうえで、同じ課題にさらに3回、繰り返したら、学んだ内容をはるかに深く吸収できたのではないだろうか。(P.330)
●彼は必ず私をわきに呼んで質問した。「今日の目標は?」(中略)そして、ミーティングを終えて車でオフィスに戻りながら、彼は再び私に質問した。「君のアプローチはどんな結果を出した?」(中略)ミーティングの直後にフィードバックがあり、変えるところと変えないところを確認し合う。(P.331)
●グーグルに転職するほぼすべての人は、入社時の給料は前職より安かった。(中略)ときには10万ドル下がってもかまわないと言えるのは、リスクを追いかける起業家肌の人だからだ(P.361)
○グーグルの業績管理の制度を変更するたびに、2つの心理が自ずと明らかになる。
①業績管理の制度を歓迎する人はいない。
②現在の制度に対する変更の提案を歓迎する人はいない。(P.488)
○今や数万人の社員と数十億人のユーザーを擁するグーグルには、想像の機会が無限にある。そして、無限の創造に挑みたい人が集まってくる。ただし、自由は絶対的なものではない。チームや組織の一員であるということは、ある程度は個人の自由をあきらめ、ひとりよりチームのほうが大きな成果を達成できる可能性を受け入れるということだ。(P.494-495)
○問題は何も解決しなかった。
このように大規模な議論が騒々しいほどに盛り上がり、結論が出なくてもかまわないのは、透明性があって意見を恐れないという文化の一部だろう。すべての問題がデータで解決できるわではない。理性的な人々が同じ事実を見ても、意見は分かれる。(P.499)
○グーグルは私たち自身が理解している以上に野心的だ。それのめ毎四半期のOKRは70%を達成すれば優秀とされ、ラリーは「ムーンショット(困難だが壮大な挑戦)」を信じている。(P.501)
○社員が最も困っているときこそ、人生最大の悲劇や喜びに遭遇したときこそ、会社はカネを惜しんではいけない。緊急の治療が必要なときや新しい家族が増えたときに、会社の寛大さは最も大きなインパクトを与えるだろう。(P.515-516)
○経営陣からのアイデアは、すべてが理想的なわけではない。(P.528) 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 頁履歴有
感想投稿日 : 2017年12月10日
読了日 : 2017年12月10日
本棚登録日 : 2017年12月10日

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