ついつい「整理術」という単語に引き寄せられて本を手に取ってしまう。佐藤可士和という第一線で活躍されている人が提唱する「整理術」に興味があり読んだ。
この本のテーマは「より良い良い仕事をするためには?」だと思う。このテーマに対して、空間、情報、思考それぞれの整理の仕方を提示して実践する事で問題を解決しようとしている。
著者は世界的に著名なアートディレクターで代表作は、ユニクロや国立新美術館のサイン計画、今治タオルのブランディングなど。日本人なら必ず佐藤さんの生み出したものを見た事があるはず。
この本は自他ともに認める整理好きの著者がケーススタディを元に、自身が築き上げてきた整理術を説明している。
私は学生時代、コンセプトを書く事がものすごく苦手でいつも泣きそうになりながら文章を捻り出し、結局酷評をもらっていた。よくよく振り返ってみると今までは空間の整理や情報の整理はなんとなくできていたが、思考については整理しようとも考えたがなかった。自分の考えている事をイマイチ理解していないのに、他人に理解してもらえるはずがないし、問題の本質を理解できていない可能性も十分ある。
デザインや企画をするような仕事はしていないが、超整理術は今の仕事でも活かせる。上司や協力会社の人に自分の意見や提案をする時にまずは思考を整理してから問題解決をしようと思った。
佐藤さんがキャリアの中で築き上げてきた超整理術はよくある空間の整理だけでなく、より質が良く、効率の良い仕事をするために生み出されたもの。優れた視点で対象を整理すれば、解決に向けての方向が明確になる(p.218)商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ心に残るものを作る事ができる(p.33)
- 感想投稿日 : 2021年5月5日
- 読了日 : 2021年5月5日
- 本棚登録日 : 2021年4月28日
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