憲法とは行政権力を縛る鎖であるということを、なぜその鎖が必要なのかということを、ヨーロッパ中世を振り返り、議会の誕生や革命の歴史を見ていくことで紐解いていく。さらには、今では当たり前になっている民主主義の誕生をキリスト教の予定説やロックの社会契約説から、契約や平等の概念の発生とともに資本主義精神の誕生までをそこに眺めていく。
次にアテネやスパルタまで遡り、そしてローマのカエサル、ナポレオンを辿って民主主義が弱いもので簡単にボナパルティズムに陥るかを解説しながら、古典派経済学やケインズに触れることで近代における権力の役割を明らかに。
最後に日本。明治維新での近代化において資本主義精神をいかに広めたか、帝国憲法起草のために必要となった天皇教にも話をふりながら、官僚とは?権威とは?をも考えていくことで現代の日本社会までに到達する。恐ろしいまでの博覧強記。
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- 感想投稿日 : 2020年9月11日
- 読了日 : 2020年9月11日
- 本棚登録日 : 2020年9月9日
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