最近、注目している女性作家の一人。
夏のある日、幼稚園で食中毒事件が起きた。そして物語は日めくりで、様々な展開を見せていく。
食の安全が大問題となった2007年。
今年の世相を表す漢字も「偽」という字が選ばれたらしい。
(その他の候補も「食」「嘘」「疑」というような関連する字だったそうだ)
不二家、赤福、マクドナルド、ミートホープ、比内地鶏、船場吉兆・・
もちろん食品の問題だけでないとしても、口に入るものだけに安心できなければ売る資格はない。
しかし、大人ならまだしも、子どもたちが食べるものは、細心の注意を払う必要がある。
そして誰が犯人かわからない食中毒事件。誰もが疑心暗鬼に囚われるはずだ。
この小説の「繁殖」というタイトルは、食中毒の原因が判明してしまうと「ああそういう繁殖って意味か」と
納得してしまうが、実は他の意味もあるのかもしれない。
犯人探しで人を恨んだり妬んだりする気持ちの繁殖・・何ともいえぬ嫌な気分だけど。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
気分どんより・・
- 感想投稿日 : 2007年12月31日
- 本棚登録日 : 2007年12月31日
みんなの感想をみる