繁殖 (小学館文庫 せ 2-3)

著者 :
  • 小学館 (2007年12月4日発売)
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感想 : 47
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最近、注目している女性作家の一人。

夏のある日、幼稚園で食中毒事件が起きた。そして物語は日めくりで、様々な展開を見せていく。



食の安全が大問題となった2007年。

今年の世相を表す漢字も「偽」という字が選ばれたらしい。

(その他の候補も「食」「嘘」「疑」というような関連する字だったそうだ)

不二家、赤福、マクドナルド、ミートホープ、比内地鶏、船場吉兆・・

もちろん食品の問題だけでないとしても、口に入るものだけに安心できなければ売る資格はない。



しかし、大人ならまだしも、子どもたちが食べるものは、細心の注意を払う必要がある。

そして誰が犯人かわからない食中毒事件。誰もが疑心暗鬼に囚われるはずだ。



この小説の「繁殖」というタイトルは、食中毒の原因が判明してしまうと「ああそういう繁殖って意味か」と

納得してしまうが、実は他の意味もあるのかもしれない。



犯人探しで人を恨んだり妬んだりする気持ちの繁殖・・何ともいえぬ嫌な気分だけど。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 気分どんより・・
感想投稿日 : 2007年12月31日
本棚登録日 : 2007年12月31日

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