スタンフォード式 最高の睡眠

著者 :
  • サンマーク出版 (2017年2月27日発売)
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4

[プロローグ]
睡眠がいかに身近なパートナーなのか、そしていかに凶器となりうるのか。その利便性と危険性の触りを教えてくれる部分だった。
よくノンレムとレム睡眠は90分周期で来るから90分間隔で起きればいいよって言うけどそれは間違った考えらしい。
さて、この本は自分の睡眠に何をもたらしてくれるのか。
人生の3分の1を消費する睡眠がこの本を境に効率化されることを願う。

[知らぬ間にはまる睡眠の借金地獄]
マイクロスリープってのがあるらしい。
数秒間寝てしまう現象のこと。
これは脳を守るための防御反応と言われている。
つまりだ。日中にマイクロスリープが発生するのは脳を守らないといけない程度には睡眠が(時間と質両方の点から)足りてないってことなんだな。
ってか防御反応なら我慢できないの仕方ないよな。だって殴られてる時に自らノーガードになりに行くようなもんでしょ?
起きようとすればするほど脳にダメージがいってるわけだ。

[理想の睡眠時間は遺伝で決まる]
かの有名なナポレオンボナパルトは3時間しか寝ていなかったという。
それで十分な人(それで日中に眠気を感じない。マイクロスリープが生じない人)は良いが、短期睡眠をした結果少しでも防衛反応が出たならやめた方がいらしい。
ウサインボルトが100mを9秒台で走れたから同じ人間の俺なら10秒くらい余裕だろうと思ってるくらいには無謀ってこの本には書いてある。

そりゃ結構無謀だな笑
まず無理だわ笑
ということで自分はこの話からショートスリーパー的遺伝子を持っていないことが判明しました。
※ショートスリーパーはごく少数だが一定数は確実に存在するとも言っている。才能に手を伸ばしたくなるがここはぐっと我慢だな。

また毎日10時間睡眠させたバスケ選手のスコアがぐんぐん伸びたって結果も出た。
やはり睡眠に負債を抱えることは日常のパフォーマンスにまで影響を与えることは確かなようだ。

[たっぷりの睡眠でも脳は不満足]
これまた面白い実験してるな。
平均睡眠時間7.5時間の非検体10人を無理やり14時間、眠らせてみたって実験。
そしたら最初の2日間は13時間ほど寝れてたけど後半になるにつれて睡眠時間は減っていって最終的な平均睡眠時間は8.2時間に落ち着いたらしい。
さてここから分かることだが。ずばり
・睡眠負債を取り戻そうとして長く眠ることは現実的ではない
ということが分かるわけだ。
この人たちは14時間強制で眠らされたわけだけど、結局8.2時間に睡眠時間は落ち着いた。
普段は7.5時間睡眠なので0.7時間の睡眠負債が毎日生じていたわけだ。
そしてこの負債を取り戻すために非検体は平均して3週間を費やした(つまり平均睡眠時間が8.2時間になるまでに3週間もかかったってこと)

まじかぁ。じゃあ土日で睡眠負債を取り戻すために長く寝るとか。平日にたまに睡眠時間多めに取るとか。
そんなことしているうちは睡眠負債を取り戻すことはできないってことだな。
同じ時間で睡眠負債を取り戻していくためにはやはり睡眠の質を高めてやるしかなさそうだ。

[黄金の90分で最高の脳と体を作り上げる]
ノンレム睡眠とレム睡眠について触れられていた。
知らなかったが人間は最初のレム睡眠に入った時の深さでその後に訪れるノンレム睡眠とレム睡眠の質の大部分が決まるらしい。
つまりだ。いかに睡眠時間が短くても(長くても)最初の90分さえ効率的な睡眠が行えていればその後の睡眠は勝手に保証されるって話だ。
ではその90分。どうやって質を高めれば良いのか。それが次の章で語られているらしい。

本って面白いのがさ、自分に関係してる(私生活でこの知識があれば今後得ができるとか。)物事だと関心度が爆発的に上がるんよね。
いつもより本読むスピードがめっちゃ早い気がするもん俺。

※あちなみにどんだけ効率的な睡眠が取れているとしてもショートスリーパーじゃない人は6時間は絶対に確保することって書いてある。
量より質は最低限の量が確保されてからの話ってわけだ。

[世界のエグゼクティブが大事にする眠りの共通点]
世界のトップアスリートは自分の睡眠にはっきりとした好みがある(自分の睡眠がどうすれば最適化されるのか知っている)という話だった。
さて結果を出す人の睡眠の質は高いのかやっぱ睡眠って大事だな〜。
そんな当たり前の話をしてるのではない。ここで話しているのは。
・質のいい睡眠は思い込みに重要度が高く置かれている
という点だ。睡眠の療法として睡眠薬が代表される現代だが、面白いことにこれは睡眠薬ですと小麦粉を渡して飲ませても睡眠の質は改善するという。つまるところ、思い込み(脳)と睡眠の関係性はとてつもなく高いと言うことだ。
※じゃあ小麦粉だけ食ってろ
って話、、、にはならないですさすがに笑
薬(小麦粉しかり)で得た思い込みによる睡眠は薬から抜け出せなくなる傾向にあるらしい。
だから却下。
ここで提案されているのは、
・睡眠とはどんなものなのか正しい情報を得る。
・そしてその睡眠に向かうために自分が行動を起こす。
・その行動を起こしているから今日は深く眠れるはずだと自分に暗示をかける。
この3ステップが依存性もなく睡眠の質を高められる最良の方法だということだ。

[睡眠に課せられた5つのミッション]
自律神経の中に
・交感神経
・副交感神経
があるのか知らなかった。
リラックスするのは副交感神経な。

一つ前の話になるが、睡眠の質を高めるにはまず睡眠について知り、それに対して行動すること。
ってのがこの本の定説。
ここではまず睡眠で得られる効果5つを紹介している。まとめると

・体の休息
・記憶の定着(ノンレム睡眠時に海馬(一時記憶)→大脳皮質(長期記憶)に情報が移る。)
・ホルモンバランスの調整(お肌ぷるんぷるん)
・免疫力の向上(アレルギー反応も軽減)
・脳の老廃物を除去(脳脊髄液に溶け出す不要物質の排除)

の5点らしい。
まずはここで睡眠の効果について知識を得た。

※ここでちょっと豆知識
レム睡眠のレムってのはREM=rapid eye movements=球速眼球移動
のことらしい。
ノンレムとレムの違いがわからなくなったらレムは睡眠が浅い時に起こる眼球運動のことって覚えておけばいい。

[睡眠の終着駅。夢の不思議]
夢についての説明がここではされた。
よくレム睡眠の時しか夢を見ないなんて話を聞くがそれは嘘っぱちで。どうやらノンレム睡眠の時も夢を見てるらしい。(覚えてないだけ。)
ちなみに起床寸前の夢を覚えている理由はレム睡眠中だからというのもあるが、他にも
・交感神経が優位になっているため夢の中で体を動かしていることが多いため
・脳が起きるための準備をしているため(寝ぼけ回避)
なんて話もある。
つまり夢を見た日は眠りが浅いとかいう話は嘘っぱちで、夢を見ることは起きる準備がしっかりできていた合図だったわけだ。

[眠りの質が覚醒レベルをこう決める]
眠い、もっと寝たいは脳からの救難信号。
日本人は顔の形と気道の細さが起因して肥満でなくても睡眠時無呼吸症候群を発生しやすいらしい。こうなると日中のマイクロスリープが多発するという。
さて、友人が毎日のように仕事中寝ているのだが、そういえば一緒に昼寝した時の彼のいびきはかなりのものだった。彼は痩せ型だが睡眠時無呼吸症候群なのではないだろうか、、、
あれそう言えば自分も息ができなくて苦しい夢をよく見るんだがBMIがシンデレラ体重の俺ですら睡眠時無呼吸症候群になるのだろうか、、、

と不安になってくるのは一旦置いといて、まずは目先で解決に向かう方法をこの本は提示してくれている。
ずばり鼻呼吸。
鼻で吸って吐く深呼吸を日常に取り入れていくことで睡眠時の呼吸問題も解決するという。

起きた時いつも死ぬほど口が乾いててくさ〜いんだけど俺口呼吸がメインになってるかもしれんな。

睡眠時無呼吸症候群を解消した著者の友人は
まるで脳の移植手術を受けたみたいだ。
と言ってるらしい。そこまで睡眠で変わるのか。すごいな。とりあえず鼻呼吸を意識して今日は眠りについてみようと思うのだ

おっと睡眠の質を上げる方法については次の章で紹介してるみたいだから対処療法を確立するのは少し待つとしようか。

[8時間寝たのに眠い人と6時間寝てすっきりした人]
なるほど最初のノンレム睡眠以上に深い睡眠はその後訪れないんだから、最初のノンレム睡眠の質が勝負を分つことは明らかだな。

ほえ〜最初のレム睡眠って数分程度しかないらしい。
あつまり、レム睡眠とノンレム睡眠は90分周期で訪れるっていうけど45分ずつでレムとノンレムが別れてるわけじゃなくて、朝に向かうに従ってレム睡眠の割合が90分の中で上がっていくってことだ。
※周期は90分のまま

結論からいくと90分が周期というのは間違った認識らしい。
人によって睡眠周期は90〜120分で異なるという(120分の正数倍時間寝た方がいいという研究もある)
つまりだ。90分周期で睡眠をとることを考えすぎて睡眠周期を逃すくらいなら好きな時間(6時間以上寝れる時間)に寝ればいいのである。

[最初の90分が黄金になる3大メリット]
眠り始めの90分がもたらす3大メリットについてここでは述べられてる。
1.自律神経が整ってると眠りに付きやすい、、。
と言われているが眠り始め90分の睡眠の質が高い人ほどその後自律神経が整いやすくなる傾向になるらしい。
つまりだ。黄金の90分を効率化できれば自律神経が整いやすくなり眠りやすくなる。眠りやすくなれば黄金の90分をより効率化できる。
正のサイクルが永遠続くわけである。
2.グロースホルモンが分泌される
アンチエイジング(細胞の成長、新陳代謝)に欠かせないグロースホルモン。その分泌がノンレム睡眠と深い関係があることが報告されている。
普段寝ている時間に起きていると、その時間帯はグロースホルモンが全く分泌されないらしいのだ。
ここで重要なのは、グロースホルモン分泌量の約8割は最初のノンレム睡眠(つまり黄金の90分)で分泌されるということ。
最初の90分をうまく寝れていれば一生お肌プルンプルンなのだ!
3.脳のコンディションが良くなる
うつ病の人のほとんどがノンレム睡眠を十分に取れていないことが分かっている。療法としてレム睡眠を抑制してノンレムに強制移行させることで睡眠サイクルを整える医療もあるらしい。
まだ謎が多い分野だが、逆説的にノンレム睡眠が取れていれば脳のコンディションは良くなることが分かる

[少数精鋭の睡眠部隊を味方につける]
ここまで話して、
とは言ったもののサラリーマンって時間ないから6時間睡眠取れない時もあるよね?
そんな話について触れられてる。
要はダメージは許容してもそれを最小限にする方法が書かれてる。
最初の90分が睡眠で1番重要な部分であるため、4時まで働いて7時起きするくらいなら0時から1時まで寝て黄金の90分を最大限活用しようって話だ。
人は朝方にかけて交感神経が優位になるよう設計されているため、4時から寝ても深い眠りにつけないらしい。
だから4時から7時の3時間睡眠より0時から1時の1時間睡眠を取れってこと。

[体温と脳に眠りスイッチがある]
とりわけ注意したいのは起床時間でも、睡眠の長さでもなく、
ある固定された就寝時間
である。って書いてある。

ってのは前置きで。すっっ。と眠りに入るためには人間の2つのスイッチを押してあげるといいらしい。そのスイッチとは、、、
1.深部体温と皮膚温度の温度差を2度以下にする
2.脳を興奮状態からリラックスモードにする
この2つが満たされた時、睡眠への導入は限りなくスムーズになるというのだ。

さて、長々とここまで読んできたがついに!!!!
次の章から
じゃあ具体的にどうすれば睡眠の質を高められるの?(まあ具体的には睡眠の質ではなく睡眠への効率的な導入方法というところに集約されそうだが。)
って部分が明かされる。
楽しみで仕方ない!!!!

がしかし、本でもあったように、睡眠は固定された就寝時間が大切らしいので。
今日はこの辺にしておく。

[体温と脳が最高の睡眠を産む]
体温と睡眠がどう関わってるのかって話。
実は身近な事象でいくつもこの例が上がる。
例えばだが
・雪山で眠くなること
・寒い会議しつで眠くなること
これらは2つとも同じく、寒いのに体を動かせない環境にあるため、深部体温が下がることに起因する。
要は長時間寒いところにいると眠気がくるって話だな。

おいお〜いじゃあ部屋冷たくして布団に入ればそれで解決じゃねーか。
そう簡単にはいかないらしい。
・日中は体温全体を上げる
・睡眠前は皮膚体温を上げて深部体温を下げる
・黄金の90分は深部体温を下げ眠りの質を上げる
・起床前は体温を上昇させる
この4点が体温と睡眠の関係で守るべき項目だ。

[睡眠クオリティを上げる3つの体温スイッチ]
じゃあ具体的に皮膚温度と深部体温の差を縮めるにはどうしたらええねん。の話がここではされてる。
ズバリ。
お風呂に入れ!
ってことが書いてある。
お風呂で皮膚温度を上げると、上がった分の温度を放射して元に戻そうとするらしいのだ。
そしてその温度を元に戻そうとする過程でオーバーシュートすることで皮膚温度と深部体温の差が縮まる。

※だいたいお風呂は15分入らないとダメらしい。

さて具体的なタイムスケジュールはというと、、
22時  入浴〜15分の湯船
22時半 お風呂から出る
皮膚温度0.8〜1.2度上昇
深部体温0.5度上昇
が成されている状態
汗をかいて熱放射スタート
0時 熱放射で深部体温が通常時より
低くなり始める
※この時点でベットに入っておくこと!
0時10分 入眠
     皮膚温度と深部体温の差が
     2度以内になっている。

とは書いてあるものの内の風呂って馬鹿みたいに熱いんだよな〜。ここでは40度のお湯って書いてあるけど間違いなくあれは40度のお湯ではない。
寮長さんに40度にできないか聞いてみようかな〜

ここまで読んできた人なら思いついてる人もいるかもしれないが。
手足が熱放散の原点なら手足だけあっためればいいじゃん。
なるほどその通りだと思った。この本でもここに触れられている。
要は時間がない人は足湯だけで十分効果を得られるのだ。
熱放散の出口をこじ開ける感じやね。
これで深部体温と皮膚温度の差が縮まれば万歳黄金の睡眠ってわけ。

あとは靴下。
冬なんて特に寒いから履いたまま寝ちゃうなんてこともあるわけなんだけど。
これは余程の冷え性でもない限りNG。
ここまで読めば当たり前の話だが。靴下なんてしようものなら熱放散の出口を無理やり閉めてるようなものなので、皮膚温度と深部体温の差温度がいつまで経っても縮まらない現象が発生してしまう。

あとは室温。
これは人によってまちまちらしいが。
注意しないといけないのは温度と湿度だ。
湿度は高すぎれば発汗できなくなり熱放散が滞るので深部体温が下がり切らなくなり黄金の90分を享受できなくなる。

脳の温度を下げることもまた睡眠の質を上げることにつながるらしい。
日本だと通気性のいい蕎麦殻の枕なんてのがあるらしいが、、、まだそこまで手を伸ばそうとは考えられないな〜。
ちなみに気道を確保するため枕は基本的には低ければ低いほどいいと言うが、、、これも個人差(骨格首のカーブなんてのは人によって様々)があるため絶対解はないという。

[入眠をパターン化する脳のスイッチ]
ここでは環境が変わると眠れないって話がされてる。
・他の人が近くにいたり
・寝具がいつもと違ったり
理由は様々だが一過性のものほど顕著にこの不眠は現れるらしい。

この部分は普段から同じベットを使ってる自分からしたら必要ない知識かなぁとか考えてるなう。

問題はブルーライトだ。
なんとびっくり。ブルーライトでが睡眠に影響を与えるためには画面に食いついて光を見続ける必要があるというのだ。
つまり睡眠の障害となっているのはブルーライトではなく、パソコンを操作することで脳が活性化してしまうことにあると。

って言ったってじゃあ眠る前に何も考えるななんて言われてもできないよな。
重要なのは脳が[退屈]すること。
風景も変わらずなにもする事がないと脳が感じると勝手に睡眠モードに移行するというのだ。
※だからスマホは本当に厳禁。
動画やゲーム、メールを見るだけでも体は交感神経が優位になってしまう。

スマホいじった日でも寝れてると感じてる人はそう感じてるだけで実際黄金の90分の質は悪いらしい。

※面白い豆知識。
羊を数える睡眠法があるけど。これ日本語でやってもあんまし意味ないらしい。
英語ではsheep,sheep,sheep...
って感じで数えるらしいんだけど、この発音が息を潜める感じだから眠りやすくなるんだとか。
日本語でやったら意味ないんだって笑

結局色々睡眠前にやれば質が上がる方法は言われてきているが、念頭に置かないといけないのは、
パッシブであること。
自分が考えて物事を行う行動は全てにおいて脳がアクティブな活動状態になるのでNGなわけだ。

[脳にも寝たくない時がある]
研究によると、就寝時間の1〜2時間前というのは1番寝にくい時間であることが報告されているらしい。
面白いな。起きれば起きるほど人間は寝たくなるのかと思いきや、就寝時間の1,2時間前ってのは1番眠りにくい時間というのだから。

え、でも明日朝早いから今日は早く寝ないと、、、断じて却下である。
1,2時間いつもより早めて寝るのは1番睡眠の質を低下させる原因になりうるからだ。
どうしてもというならいつもより1,2時間早く寝る分1.2時間早く風呂に15分入る事が推奨される

睡眠の正確は
後ろにずらすのは簡単、前にずらすのは困難
なのである。

生活リズムを整えたいなら睡眠禁止ゾーンへ入らないような生活を心がける事だ。
つまり毎日
・同じ時間に寝て
・同じ時間に起きる
これが睡眠の質を向上させる黄金ルートである。

[どう起きているかでぐっすりか否かが決まる]
覚醒に大きな影響を与えるのは大きく2つ
・体温
・光
らしい。体温は日中活動する事で。光は夜はシャットアウト、朝は数分でも浴びる事が望ましいとされる。

1日の体内時計(サーカディアンリズムっていうらしい)が23.7時間の夜行性マウスを暗闇のなかで1ヶ月飼育したら昼間に行動するようになったって実験は非常に興味深かった。

[睡眠レベルをさらに高めるスタンフォード覚醒戦略]
アラームの掛け方についてここでは述べられてた。
スヌーズ機能を使うよりも、1回目のアラームを極微音にして、20分後2回目のアラームを大きめにするという物。
1回目の時レム睡眠なら普通に起きるし、ノンレム睡眠なら気づかない。
2回目はレム睡眠(確率的にはレム睡眠である可能性が高い)なので起きれる
と言った具合だ。1回目のアラームだけ小さくすることってできるのだろうかアレクサに頼んでみるか。

ちなみに眠いからもうちょっとだけ、、、
これはあまり意味がない。レム睡眠だから質悪いし、、、
でもネット記事でストレスに強くなるコルチゾールが分泌されるのは2度寝中ってのもあったんだよな〜。ここら辺はまだエビデンスに欠ける部分である。

朝に朝日を浴びる事は研究でも明らかな事だった。
メラトニンが生成されることで交感神経が優位になっていくらしい。
ちなみに盲目の人でも今はメラトニンを体外から摂取できるサプリメントがあるため体内時計を24時間ジャストに合わせる事ができる。
すげーな人間は太陽の光がなくても体内時計をリセットできるところまで来てるわけだ。

覚醒するには裸足で朝は生活する事もいいらしい。
足の皮膚を刺激しながら皮膚表面温度を下げることで深部体温と皮膚表面温度の差を開かせる戦法

加えて冷水をうまく使うことだ。
手を洗う時は冷水を使う。歯を磨く時は冷水を使う。など、とにかく深部体温と皮膚表面温度の差を広げることが覚醒の近道らしい。

もっと簡単にいうと、とにかく皮膚体温を下げまくればいいって事。

じゃあ深部体温はどうやって上げるの?って話なんだけど、これは朝食で効率的に上げる事ができる。
味噌汁でもなんでもいいが、とりあえずあったかい物を摂取して内側から体温を上げていくのだ。

朝食で気をつける事は温かい物を食べる以外にも、[よく噛む事]が挙げられている。記憶力が上がる上に眠る時と起きる時のメリハリが着くという事例があるらしいのだ。

朝の汗だくもNG
体温を上げた分下げる時に眠気が生じるのでだめなのだ。
あつまりね?朝チャリで会社まで行って汗だくになってキンキンに冷えたデスクで仕事してる俺はかなり非効率なことをしていたわけだ。
とりあえず仕事場に行ったら着替えをして少しでも熱放散を抑えられるようにしよう。

カフェインの成人接種許容量は1日400mg
これはコーヒー5杯分らしい。
そしてカフェインは覚醒の大きな手助けになる。
著者は
6時
8時
10時
14時
にそれぞれ1杯ずつ飲んでいるらしい。
コーヒーの力を借りなくても今は脳が限界まで働いてるような気がするので自分はカフェインいらないかな。
朝飲んでもいい気もしないでもないが、、、
なぜかカフェインってどこか健康に悪い(体に無理させてる)気がして気が進まない。

これまた興味深い。
著者は朝起きてからが1番頭を使うべき(もちろん朝起きてからが1番効率的に頭が働くもいう理由もあるが)と言っている。
なんでかってそりゃ午後にイージーな仕事をおいてもう睡眠モードへの準備を始めてるってゆーんよ。
早すぎん?って思うけど確かに仕事時間全体で見た時にハードなものと楽な物をどっちに持ってくるかって聞かれたらそりゃ午後はリラックスして睡眠に備えたいからイージーなものを持ってきたほうがええわな(今の社会人が自分の仕事を自分の都合で振り分けられる環境にいるかは甚だ疑問ではあるが。)

んで忘れちゃいけないのが夕食。
オレキシンって物質(交感神経を刺激する物質=覚醒する)がよく出てくるけど、なんと面白い事に夕食を抜いてお腹の空いた状態でいると、オレキシンが過剰に分泌されるらしいのだ。
つまり夕食を抜くと覚醒に脳が向かうのである。

ちゃんと寝たければ夕食は抜いてはいけない。

サプリメントについての話もされてた。
これ面白いな。どんな成分を外部から摂取しても、その成分が自分の思い通りの効果になるために働いてくれるとは限らないって話。
眠るために食べた大豆が筋肉増強のために使用されていたり。
美肌のために摂取したコラーゲンが肝臓の修復のために使用されていたり。
要は食べ物は選べても使い道は選べないのだ。
サプリで睡眠導入に効果ありの物質を摂取しても睡眠の質を上げるためにその物質が使用されているとは限らない。

GABAには入眠効果や鎮静効果があるのは知っての通りなんだけど、お酒も同じようにその効果があるらしい。
オペラ歌手がショットを一杯やってから入眠するって話もあったように、サプリよりもショットの方が強烈に入眠へ誘う事ができるのだ。
しかし量が問題。
日本酒なら1合を睡眠2時間前に飲むくらいならむしろ睡眠の質を上げるとされる。
ちなみにショットくらいの日本酒なら寝る直前でもいいとか。
これは面白い。
でもこれって薬で寝てるようなもんだから依存し始めちゃうような気がして俺ちょっと怖いな。
やっぱこれは却下。

以上が睡眠に関する情報の全て。
でもちょっと待って?
これで睡眠の質は改善されたかもしれないけど、結局のところ1番の問題は目先の問題。そう。
眠気
なのである。昼間に来る眠気を除去するために睡眠の質を上げようと色々工夫しているのである。
最終章ではここを掘り下げてくれるらしい。
つまり、結局のところ眠気を払うにはどうしたらええねん。の章である。

[睡魔はあなたの敵か、味方か]
朝起きても眠気が取れていかない。
これの解決方法がここで述べられてた。
要は目覚まし時計をウインドウ(20分間隔)でセットするって方法だ。

あとは昼食後にくる眠気。アフタヌーンディップ
について。
昼に眠気が来るのは
・消化に血を回してるため頭に血がいかない
とか言うけどこれは間違いらしい。脳への血流は全てにおいて優先度1位なのだ。
身近な例としては、確かに朝飯を食べた後に眠くなるって経験はしたことがないのである。
結論、この人は昼間に来る眠気の原因を[満腹感]としている。

ちょっと待て。満腹感が原因であるなら朝食の後も眠くなるはずではないか。完全に破綻した論が展開されてる。

まあでもこれだけは言えそうだ。
空腹時にはオレキシンが過剰に分泌されるので、覚醒を促すのであれば昼食なんてのは摂らないor最小限に抑える
のが1番効率的なのだ。

摂らないのは普通に無理。空腹で頭いっぱいになって何も集中できん。問題なのは満腹にならない事だ。
あとはちゃんと噛んで食事する事!!!

寝不足も解消!アフタヌーンディップも対策済み!
でも最後に立ちはだかるあいつ。
そう。退屈な会議中の眠気。
こればっかりは仕方ない。脳は追いつけない内容に対して機能を完全に停止する。停止した脳は眠気へと誘われるわけだからな。

これを解決する方法がスタンフォードにはあるらしいのだ。さてお手並み拝見。

[睡魔に打ち勝つスタンフォード式アンチスリーピングメソッド]
アメリカでは会議中に寝る人が少ないのに対しここまで日本の会議で寝る人が多い理由。それは文化にあった。
アメリカは[黙っているならいないのと同じ]の文化が根付いているらしいのだ。

これよく聞くけど本当にそうなんだなぁって思った。なんか言ってるだけで本場ではそんな事ないんでしょ?日本とあんまし変わんないでしょ?とか思ってたんだけど違うらしい。会議中は基本少人数だし、そこで発言しないのは本当にいないのと同じなのだ。だから寝るなんてのは言語道断。そんな文化背景があるんだよな。

さて言いたいのはこんな文化の話なんじゃなくて。もし無理にでも起きたい会議があるなら、
自分から発言する意識を持つ事。
これが唯一にして最大の眠気ぶっとばし方法なのである。

眠い時に口に摂取したほうがいいものについても記述があった。
ガム、カフェインは知っての通りだが、
飲み物は冷たい物ではなく温かい物を飲むと眠気が覚めるらしい。これは驚き。全く逆だと思ってた。
でも確かにそうか。冷たい物飲んだら深部体温が下がるから皮膚温度との差が縮まって眠気に繋がる気がする。

でこれ以外なのが、じゃあ冷たい物を手足にぶつけておくと覚醒するのかって話。これはまだエビデンスがないらしい。
深部体温からアクセスしたらおっけいなのに皮膚温度からアクセスしたら拒否されるなんて人間の体は面白いようにできてるんだなと関心や。

[世界のトップがやっている超一流の仮眠術]
昼寝は脳のミスを減らすのに有効だった!
DAIGOが言ってたことは正しかったのだ。
どうやら昼寝を20分するとその後の活動が効率的になる研究報告があるらしい。
仮眠直後は寝ぼけで頭の回転が悪くなるものの、その後は仮眠をしていない非検体よりも効率よく仕事を行うことができると言う。

また、昼の仮眠は認知症を遠ざける効果もある。
ここで注意しないといけないのは、睡眠ではなくあくまで仮の眠りだと言うこと。
20分の仮眠は認知症発症率を1/7まで抑えるのに対し、なんと1時間以上の昼寝を行う非検体は認知症発症率が2倍になったという。

仮眠は20分まで。DAIGOの説は正しかったのだ、、、

じゃあ仮眠をしまくれば睡眠負債は取り返せるのかと言うと全くもって別問題。
電車は1/fゆらぎにより頻繁に眠気が生じるが、この仮眠(ノンレム睡眠らしい。一気に深い睡眠に行って一気に起こされるからめちゃくちゃ目覚めが悪いんだと)は無いよりはマシ。くらいに捉えたほうがいい。

土日の睡眠習慣についてもここで触れられていた。
1〜2時間なら普段よりも多く眠って問題はないという。(就寝時間は固定すること)
睡眠スペシャリストの筆者ですら土曜日には1〜2時間多く眠るという。
体が欲している分は眠るべきというスタンスは変えないのだ。

[人生の3分の1を変えれば残りの3分の2も動き出す]
睡眠の未知なる部分は未だ無限大。
しかし睡眠にしか成しえない効能は明らかにならつつある。
臓器の回復や体のメンテナンスだ。
人生のピークをアスリートとして過ごすプロが睡眠に強く関心を寄せるのは、短いピークの期間をいかに効率的にするか本気で考えた末に行き着くのが睡眠だからである。

ナルコプレシー(勝手に急に眠くなる病気)の原因因子がオレキシン細胞の欠如であることを発見したのがこの著者らしい。
最後の最後にこの人めっちゃすごい人だったことが判明。

最後の最後にこう記してあった。
仕事を理由に睡眠を犠牲にするのはやめよう。
少なくともあなたがクリエイティブな仕事をするのであれば。

クリエイティブでない仕事なんて無いと自分は思ってるし、仮にクリエイティブじゃ無い仕事だとしてもクリエイティブな人間はそこに新しい発明を見出す物だ。だからこの言葉、俺はこう捉える。
[仕事を理由に睡眠を犠牲にすることは、総じて仕事を犠牲にしていることと等価である。]
と。


[結論]
睡眠の質を上げるための方法が重要なんじゃない。
1番重要なのは、自分が良質な睡眠のためにできる行動をしていると頭で認識することだ。
睡眠のために行動しているから今日は寝れる。そう感じること。
これが脳にとって1番の睡眠導入剤になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月12日
読了日 : 2023年8月12日
本棚登録日 : 2023年8月12日

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