ジャンルを決めるのに、困る内容だ。
著者がシベリア鉄道に乗って、大正から昭和の時代に生きた女性作家3人の日記をもとに足跡をたどりつつ、自分のシベリア鉄道の旅の記録もあわせて残す、という。
女3人の中には数えられてないんだけれど、中條百合子の恋人、湯浅芳子に著者と同じく惹かれる。
とてつもなく長生きして、昭和が終わるのを見た人。
長生きしたひとだけに与えられる「歴史を体験した」人。
これをきっかけに興味がでてくる。
反戦ではなく、体制に協力的だったひとに著者は少し批判的だけれど、自分の子供や夫が戦っているのを応援しないわけにはいかないだろう。それを拒み、戦争を早く終わらせることに尽力したら、それはもしかしたら夫や子供を救う道なのかもしれないけれど、人間としてとても難しい道だと思う。
だからこそ尊敬に値する、のかもしれないが、体制に協力したからと言って一方的に批判する気にもなれない。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2009年9月4日
- 本棚登録日 : 2009年9月4日
みんなの感想をみる