85年の東京発大阪行き日航123便の墜落事故の全記録。これまで、「沈まぬ太陽」山崎豊子(新潮社)、「墜落の背景」山本善明(講談社)など、この事故を題材にしたフィクションやノンフィクションを読んできたが、この本は始めて、墜落の背景にある現代の「文明」そのものに目を向けている。ジャンボの設計思想と、人間そのものの持つ不確かさ、それはそもそも絶対に相容れることはないのではないかということ。とことん突き詰めれば、人間はシステム同様、限りなく無機質な非人間的存在になっていかざるを得ない。しかし実際にどうも人間がそのようにされつつあるのではないか、という批判にまで進んでいく。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2010年8月22日
- 読了日 : 2001年8月12日
- 本棚登録日 : 2010年8月22日
みんなの感想をみる