17世紀のキリシタン弾圧が広がる中、日本に布教をしようとポルトガルから密入国した司祭の艱難を描いた一冊だ。
有名な作品だけれど今まで手に取ったことがなく、読み始めるまで外国人が主人公ということも知らなかった。
淡々と語り進められるだけに、当時の異常な状況がひたひたと迫ってきて恐ろしい。
海に十字を穿たれて磔にされ、満潮時にあごの下すれすれまで海面が来る拷問を受けて殉教する者。
穴の中に逆さ吊りにされて血を流しながら棄教を迫られる者。
平和な時代であればただ信心を持ち暮らせたのに、迫害されるために何度も転ぶ者。
史実、ということに、単純だけれどぞっとする。
それほどの迫害を受けても、神は沈黙をしている。本当に神はいるのか。
信仰とは何か、もっと単純に言うと、何かをただひたすら信じることってどういうことなのか、について考えさせられる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
なにか考えたくなる
- 感想投稿日 : 2015年4月12日
- 読了日 : 2015年4月12日
- 本棚登録日 : 2015年4月12日
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