穂村弘の短歌に歌人の山田航が評をつけ、さらにそれを穂村自身がコメントをする、という自註と他者の評が1首にそれぞれついている、という変わった形式の一冊だ。
著名な短歌も多く、あ、これ知っている、という歌がいくつかあった。
それに対して、「妄想?」というくらい裏読みをしたり論じたりする評に、短歌について解説するっていうのはなんとなく興ざめなかんじかも、と思っていた既成観念が覆った。ふぅん、そいういう捉え方するんだ、と面白い。またそれに対して穂村が否定したり肯定したりしているのが面白い。
誤読もあり、というか、意図通りに伝わらなくてもあり、というのが短歌であり外に向けて発表された作品である、ということなのかもしれない。
掲載されているのは知らない短歌のほうが圧倒的に多いのだけれど、こんな歌を詠んでいたんだなぁ、とどちらかというと評者やエッセイストの穂村弘ばかりを見ていた自分には目新しさがあって興味深かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
好奇心が満たされる
- 感想投稿日 : 2013年1月18日
- 読了日 : 2013年1月18日
- 本棚登録日 : 2013年1月18日
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