武者修行を志し、無言の行で薩摩を目指す若者、坂崎空也の物語だ。
一度は滝壺に落ちて命を喪ったかに思えた空也だったが、奇跡的に流木に引っかかり、川の下流で救助される。
蠱惑的な魅力を持つまっすぐな少女、眉月との出会いと交流、薩摩の男たちとの剣の交流。
人気シリーズの居眠り磐音の余韻をどうしても感じてしまうけれど、この若々しさや、未熟さは、王者の風格のある磐音が主人公では描けないものだろうなと思う。
あとがきで著者自身は新作を書いたつもりと言っていて、良くも悪くも磐音シリーズの影響というのは拭えないのだろうけれど、新作、として、これから空也がどのように主人公として独り立ちしていくのが楽しみではある。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エンターテイメント!
- 感想投稿日 : 2021年6月10日
- 読了日 : 2021年6月10日
- 本棚登録日 : 2021年6月10日
みんなの感想をみる