亜佐美という女性が殺された。
「4回しか会ったことがない」ケンヤという男が、亜佐美と関わりのあった人々を探し聞く。
「アサミのことをおしえてほしい」
でも、誰も亜佐美がどんな女性だったか…ということよりも、亜佐美と関わった“自分”のことしか話さない。
自分も苦しかったんだ、辛かったんだ、でもどうしようもなかったんだ…。
「死ねばいいのに」
ケンヤの返すその言葉に、皆そういう発想を全くしていなかったことに気づく。
どんなに苦しいことも、辛いことも、逃れることができないと思うことも、見方さえ変えれば普通のことに見えるようになる。解決方法がどこかにある。
他人から見ると不幸のどん底にいるような亜佐美だけれど、自分のことを不幸だなどと思っていなかった。
最後の最後に明かされる事実。
ストンと心に落ちる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年2月13日
- 読了日 : 2012年3月18日
- 本棚登録日 : 2019年2月13日
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