山本周五郎賞受賞作。
有名なタイトルですので、もちろん知っていましたが、名取佐和子さんの『金曜日の本屋さん』で紹介されていたので読みました。
「お友だちパンチ」の意味はよくわかりました。
黒髪の乙女である彼女の横顔の表紙はとってもキュートです。
第一章はひたすらお酒を飲み続ける話。
私はアルコールは一滴も飲めないので、飲みたいとは思わなかったけれど「偽電気ブラン」とか奇妙なお酒が出てきます。
第二章の古本市の話はビブリオミステリーや、ブックガイドともまた一味違って、一番面白かったです。
第三章の学園祭は、昔、京都に住んでいた時、京大に友人が通っていたので、呼んでもらったのを思い出しました。
この話は京都という特定の街が舞台だからいいのかなと思いました。
でも180ページを過ぎたあたりで「この本は、ストーリーがあんまりない感じだけど、このまま、だら~っとしながらそのまま終わってしまうの?」と心配になりました。
第四章は気になる言葉と竹久夢二の詩がありました。
恋に恋する乙女は可愛いこともあろう。
だがしかし、恋に恋する男たちの、分けへだてない不気味さよ!
いったい私に彼女の何が分かっているというのか。
焼け焦げるほど見つめ続けた後頭部のほか、何一つ分かってないと言って過言ではない。
それなのに、なにゆえ惚れたというのか。ー本文より
竹久夢二の詩
人をまつ身はつらいもの
またれてあるはなほつらし
されどまたれもまちもせず
ひとりある身はなんとせう。
恋っておかしなものなのかと思いました。
それを、やさしく、面白くかいたのがこの作品なのかなと思いました。
本屋大賞2位の人気作ですが、読む人を選ぶ作品ではないでしょうか。
はっきり言って、私はこの作品の真の面白さがわかったとはいいがたいと思いました。
面白さのツボが私とはちょっと違うような気が…。
『熱帯』とか『夜行』は凄く面白かったのですが。
星を減らしたのは自分がわからない作品のせいですので、作品に罪はありません。ごめんなさい。
- 感想投稿日 : 2020年7月7日
- 読了日 : 2020年7月7日
- 本棚登録日 : 2020年7月2日
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