キャッチャ-・イン・ザ・ライ

  • 白水社 (2006年4月1日発売)
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本棚登録 : 7627
感想 : 550
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ずっと積んであった本です。
2003年にこの新訳の初版が出たときに、単行本で買っていました。
旧訳の『ライ麦畑でつかまえて』は読んでいません。
青春期に読むべき本を、いい歳になってからやっと読みました。

主人公のホールデイングは、作家の兄DBと、小さい頃に亡くなった弟のアリー、活発で美しい妹のフィービーの四人兄弟妹です。
ホールディンは何度も学校を転校しているちょっとした不良で、男子校の寮に入っていて、いつも女の子のことを考えていて、話題はそれしかありません。
飲酒もし、女の子を買おうとして失敗し、お金も騙しとられます。
中盤までは、なんだか年頃の男の子の生態が生々しくて、嫌悪感を感じました。これがどうして名作として読み継がれているのだろうかと思いました。
私が中高生の頃に、弟に借りて読んでいた少年漫画誌のマイナーな方の漫画みたいだと思いました(私はあだち充とかが目当てで借りていました)。

でも、最後の方になってホールディングは目覚めるんです。最後の最後25章以降はもう文章がスピード感に溢れ、ハチャメチャで「これ、すごく面白い!」と思いました。
これはやっぱり、青春期に読んでいたらきっともっと印象深く心に刻まれた好きな作品になっていた気がします。
でも、今の年齢で読んでも1回も読まないより、ずっとよかったと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 海外
感想投稿日 : 2021年3月27日
読了日 : 2021年3月27日
本棚登録日 : 2021年3月27日

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コメント 8件

nejidonさんのコメント
2021/03/27

まことさん♪
すごく懐かしいです!
中3のこの時期に読んだんですよね。
もちろん旧訳です。訳文はそちらの方が良いと言われてましたから。
卒業式も終わって高校入学の準備をしながらだったかな。
3学期に、男子はこの本、女子は星の王子様という流れがありました。
私はクラスメイトよりかなり遅れて読んだのですが、当時はドンピシャでしたよ。
幸か不幸かホールデンのような兄はいなかったのですが、妹を自分になぞらえていました。
今読んだらどのように感じるのでしょうね?
ちょっと懐かしくて色々ふり返ってみたりしております。

まことさんのコメント
2021/03/27

nejidonさん。
コメントありがとうございます!
この作品はやっぱり青春期に読むべきものなのですねぇ。
中三の春休みに読まれたのですね!
ちょうど今ごろの季節ですね。
ホールディンの妹のフィービーは確かに利発で活発で美しいところがnejidonさんに似ているかもしれませんね(*^^*)
私は、もう、この本を読む適齢期はとっくに過ぎてから読みましたが、悪くはなかったです。
大学のときに、文学科の友人が卒論がこの作品だと言っていたことなどを懐かしく思い出しながら読みました。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/04/12

まことさん
人生に遅い早いはなく、まことさんには今が出会い時だったのでしょう。。。
猫は大島弓子のお陰で若い時に読みましたが、当時は今以上にハスに構えていたので、、、

まことさんのコメント
2021/04/12

猫丸さん。
人生に遅い早いはないかもしれませんが、この作品はやっぱり若い人向けじゃないかと思ってしまいます(^^;
こういう作品があったという存在を知ったので、読まないよりよかったとは思いますが…。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/04/12

まことさん
> この作品はやっぱり若い人向けじゃないかと
まぁそうなんでしょうけど、若い人に心を向けていく
「そんな風に熱くなれるなんて可愛いじゃないか」みたいに、、、愉しみ方次第(偉そうにスミマセン)

まことさんのコメント
2021/04/12

猫丸さん。
いえ、いえ、確かにそんな楽しみ方も、できますね。
もし、若い時に読んでいたら違っていたかな、とは思いますが…。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/04/13

まことさん
若い時は誰もが今と先が見えずに悶々とし、主人公との距離が近い。と言うのがあるでしょうね。

「ナイン・ストーリーズ」を読めばサリンジャーの違う面も、、、

まことさんのコメント
2021/04/13

猫丸さん。
「ナイン・ストーリーズ」未読です。
なんか、うちの本棚にあったような気がしますが…。
探してみます。

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