検察の正義 (ちくま新書 803)

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年9月1日発売)
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本棚登録 : 220
感想 : 27
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本書は元検事の郷原信郎氏が、検事時代に取り扱った事件について語ったものです。
なお、本書は2009年刊行ですので、著者が検察官を退官し、弁護士として活動し始めたあとに刊行されたことになります。
また、時期的には2010年の「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」など検察による捜査での不正などがあり、検察の体制的な問題がクローズアップされていた時期の少し前の刊行です。
そのため、この事件発覚前に書かれた著作ではあるもののタイトル的にもなんらかの暴露や体制批判があるものと期待して読んだのですが、期待はずれでした。

構成としては、検察の簡単な説明、経済検察や政治資金捜査、長崎地検での事例、といった感じでした
なお、政治資金規正法違反に関する記載が多いのですが、政治資金規正法についての説明が特にないので、読んでいても意味不明な点は多いです

【読書メモ】
・検察は従来から考え方を基本的に変えない
・日本の刑事事件は、歴史上の事実として「事案の真相」つまり実体的真実を明らかにすることが目標とされる。
・アメリカの刑事裁判は、当事者が納得する形で刑事処罰を行うことによってなんらかの社会的価値を実現することが目的。
 単純な過失による事故は刑事責任追及の対象とならない=責任追及より原因解明
・検察は自らの非を認めることはない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2020年9月12日
読了日 : 2012年11月3日
本棚登録日 : 2011年8月20日

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