事件とは直接的な繋がりのない関係者にも一人ひとりとしっかり向き合い大切なものを啓示する加賀。ばらばらの方向を向いているようでも実は一本の軸で繋がっている家族。離婚しながら結局求めたのは家族の絆。コロコロ揺れる人の思いのおもしろさと難しさ。事件には必ずしも結びつかない人達の心の機微、心の深いところにある愛情に触れながら、ほっこり胸を温かくしていたが、これで終わるわけではなかった。中盤以降、俄然色めき立ってくる。短編集と思いきや連作短編、というか寧ろ壮大な長編。関係のないものと思いなしていたことが全て事件解決に向けての伏線となっている。誰もが見向きもしないような些細なことに拘り、決して手を抜かず真相を突き止めようとした姿勢がついには事件本丸の真相を見出すことに。意想外の連続に最後まで目が離せなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年7月21日
- 読了日 : 2013年7月21日
- 本棚登録日 : 2013年7月21日
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