蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

著者 :
  • 文藝春秋 (1991年7月10日発売)
4.13
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本棚登録 : 5120
感想 : 656

主人公の少年時代から大人になるまでを、
恋と友情と剣と、没落・仕事・派閥争い・懲悪・復讐、
それらをバランス良く配合して
適切に散りばめて描いた良作だと思います。

そしてそれらすべてが、行き過ぎた暑苦しすぎるものではなく、唯一激情と言える場面でさえも抑えた筆致で描かれ、日本的に淡々としていながらもほどよく胸に迫る絶妙なさじ加減。
主人公の性格ともあいまって、清々しい読み心地を与えてくれました。

全体的にはゆったり進行するのですが、クライマックスは息もつかせぬ面白さ。ラストは良かったし納得もするけれど、何か一抹のモヤモヤも残る。このモヤモヤ感は何だろうと考えてみたけれど、今のところその正体は分かりません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代小説
感想投稿日 : 2014年12月27日
読了日 : 2014年12月27日
本棚登録日 : 2014年12月27日

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