虚ろな十字架

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  • 光文社 (2014年5月23日発売)
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英恵の訴えが辛い。

「主人は21年前に1つの命を奪ったかもしれません。でもそのかわりに…医師として多くの命を救い続けています。
…それでも主人は何の償いもしていないといえますか。刑務所に入れられながら反省しない人間など、いくらでもいます。そんな人間が背負う十字架なんか、虚ろなものかもしれません。
…ただ刑務所で過ごすのと、主人のような生き方と、どちらのほうが真の償いだと思いますか」

人の命を奪うのも人間、
その罪を裁くのもまた人間、
そこに情をわずかでも入れた瞬間、ギリギリで保っていたものが崩れる。そんな気がした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本2016以前
感想投稿日 : 2016年7月25日
読了日 : 2016年7月25日
本棚登録日 : 2016年7月13日

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