深紅 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年12月10日発売)
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本棚登録 : 2780
感想 : 356
3

人気脚本家で、人気作家だった作者が突然自殺により、この世を去ったのは衝撃的だった。
当時、ドラマ化もされた今作を読んだ記憶があるのだが、最近本屋でよく平積みされているのを見かけるので、再読してみることに…
が、実際に読んでみたら、多分初読み。
両親、幼い弟2人を修学旅行中に殺された奏子。恐ろしい事件の被害者遺族として、健気に生きているような奏子だったが、彼女は心の中に黒い意識を溜め込んで来た。
そんな奏子が大学2年生の時に、犯人の死刑判決が結審したことにより、犯人には奏子と同い年の娘・未歩がいることを知る。
その未歩を探し出し、彼女の運命を操ろうと試みるが…
ドラマにもなっていたし、内容を知っていたので、読んだ気になっていたのだろう。
被害者遺族なのに、奏子には嫌悪感しか抱けないし、奏子が結局何を成し遂げたかったのか分からないまま、奏子は満足した様子でラストを迎え、モヤモヤ感が残る。
解説にもあるが、前半が絶妙な展開なので、大学生になった奏子の話がかなり霞んで見える。
それでも、圧倒的な展開力で時間を忘れて一気読みさせてしまうのは、さすが。
やはり若くして、命を絶ってしまったのが悔やまれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 微妙・・・
感想投稿日 : 2019年11月3日
読了日 : 2019年11月3日
本棚登録日 : 2019年9月27日

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