シリーズ3作目。
今作は家族の再生をテーマにした話が多かった気がする。
前作で「金曜堂」のメンバーの過去が明らかになり、今作では「金曜堂」に訪れる訳アリの人々の力になっていくメンバーの様子が描かれる。
個人的には、主人公・史弥の父とその父が経営する書店で働く二茅さんの過去が描かれる「書店の森」が一番好き。
「ノルウェーの森」がメインで描かれており、学生時代、大好きで、読み返すだけでは物足りなく、ペーパーバック版も読んだ記憶が鮮明に蘇った。
「カイさん」で描かれる親子の話も心温まる。
家族の微妙な関係を「ポタージュ」に例えてしまうところが何とも言えず、心が小さく震えるようだった。
血のつながった親子でさえも、最初は「ポタージュ」。ましてや、他人なんて、簡単に「ポタージュ」の味になんてなれやしない。
登場する本より、この本自体のメッセージ性が強く印象に残った。
次作でラストは少し寂しい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ライトな感じ
- 感想投稿日 : 2021年2月9日
- 読了日 : 2021年2月9日
- 本棚登録日 : 2021年1月13日
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