健全な肉体に狂気は宿る: 生きづらさの正体 (角川oneテーマ21 A 41)

  • KADOKAWA (2005年8月1日発売)
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本棚登録 : 633
感想 : 68
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2022/05/12
個人的にモヤモヤしてたことがそうか…って腑に落ちたりした。対談だから読みやすい。
読んでよかったー。

・「常識は原理にならない」っていう文章が特にそうかぁと思ったしすごくよかった

p.138 『規制力はあるけど攻撃力は小さいし、権力的になれない。これは人間を動かすときに非常に
有効な手段なんですね。言いたいことは言えるけれど、相手の立場もちゃんと確保してある。
常識的な人間というのは、だからすごくいいんですよ。人を徹底批判することがないし、罵倒したり愚弄したりすることもない。だって、そんなの「常識的じゃない」から。「そんなに人を責めるなんて、非常識じゃないか」と言えば常識人は絶対黙りますから。
春日 たしかに、わたしが思者と話していても、結局のところ、常識なんだからうまくやりなよ、という話にいくわけですもんね。ただ、常識というのを「思考停止」だとか、「長い物には巻かれろ」的ないい加減な発想だというふうに取りたがりますから、そうじゃないんだということをいかに伝えるかという問題なんですね。
内田 あらゆるものが原理主義になる可能性がある中で、唯一常識だけが原理主義にならないということが常識の強みなんです。マルクス主義にしても、フェミニズムにしても、キリスト教にしても、間違えると原理主義になってしまう。でも、常識だけはならない。「常識の名において断罪する」ということができないんですから。「何かの名において人を断罪する」というのは常識的に考えていかがなものか……というふうに考えちゃうのが常識人なんですから。』
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月12日
読了日 : 2022年5月12日
本棚登録日 : 2021年11月18日

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