都市のコスモロジー: 日・米・欧都市比較 (講談社現代新書 1178)

  • 講談社 (1993年11月1日発売)
3.06
  • (0)
  • (3)
  • (13)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 6
4

空間の中の形(建物)と時間の中の形(人々の振る舞い)って切り口を見つけたのがこの人の凄い所だな。

伊勢神宮が、20年に1度作り替えられると確かに昔のままの建築が残っているっていう意味での価値はない。
ヨーロッパでは「昔のまま」を残すために立ち入り禁止にして保護する。
でも、20年に1度作り替えるお蔭で、今も昔のままの建築のノウハウが残っているって意味での価値はハンパない。
日本においては、その建築が昔のままの形で人々の生活に組み込まれてる。
「建築」を残そうと考えた時、そのアプローチの仕方が違うのだという発見!!



しばしば言われる、ヨーロッパの様に統一された街の外観の美しさが日本にない…ということも。
そもそもヨーロッパの耐力壁構造が「外から眺める景観」を生むもので、
日本の耐力構造は「内から眺める景観」-部屋から庭や景色を眺めることによって得られる喜びに重点を置く
という、全く異なるアプローチなのだということ。
どっちがどうって話じゃないのよね…ってこと。

この人が語る比較って、どっちかを贔屓しない冷静な観察眼が効いてて面白んだよね~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自分
感想投稿日 : 2013年4月8日
読了日 : 2013年4月8日
本棚登録日 : 2013年4月8日

みんなの感想をみる

ツイートする