それからはス-プのことばかり考えて暮らした (中公文庫 よ 39-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年9月25日発売)
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本棚登録 : 8321
感想 : 806

久々に本を読んだ。どれくらい久々かというと三ヶ月ぶりくらい。中学生の頃は二日に一冊はぜったい本を読んでいたのに。
まず題名がいい。読みたくなる。ありそうでない。友達に読み終わったらほんとうにスープが飲みたくなるよ、と薦められてそれは読むしかない!と読んだけれど、読み終わるどころかなんなら序盤で私はコーンスープをいれて飲んだ。普通に待ち切れなかった。
内容もエッセー風の短い話が連作で続き、読んでいて疲れない。最近本を読まない理由として、ハズレだったらどうしよう、とか、ミステリーやSFものは疲れるんだよな、読むの、とか、長編小説は長くて読み始めるまでがつらいよ、なんてことが挙げられるけれど、この本を読んで、そういえば世の中にはこういう感じの終始穏やかな作風の文庫本としては頼りない厚みの本がたくさんあるじゃないか!と思い出させてくれた。後ろの作品紹介ページもよしもとばなな、川上弘美、小川洋子と穏やかな作品たちが並ぶ。あーね!とすっかり忘れてた私は思わずアハ体験した。
毎日をていねいに生きたいとこの頃は特に思う。その第一歩としてこの本は良かった気がする。そして今無性にサンドイッチも食べたい。スープと一緒に。夜中にこんな仕打ち罠だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年11月15日
読了日 : 2019年11月15日
本棚登録日 : 2019年11月15日

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